2017年09月20日

これまでの災害支援活動 〜4 届けたい想いが実現するまで

◆被災地支援としての「集いの出前」
<急性期が過ぎて>

災害時の電話相談窓口は、大震災から半年たった9月には、相談が入ることがほとんどなくなり、一定の役割を終えたように思われました。
とはいえ、被災地は復興からはまだまだ遠い状況にあり、その中で、出産、育児されている方々がいらっしゃるのに、私たちの災害支援活動は、これで終了としていいのだろうか、という思いが残りました。

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◆初めてこのページを訪れてくださった方へ
こちらを、合わせてご覧ください。
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2012年9月、ラ・レーチェ・リーグに何ができるだろう、と考える中で、まずは、自分たちのボランティア仲間が、今、被災地で、どのような思いで過ごしているのか、耳を傾け、そして応援したい気持ちを届けたい、と、仙台のリーダーを訪問しました。
現地のさまざまな実際の話を聞く中で、そこで暮らすリーダーの「今こそ母乳育児支援が必要」との言葉が深く印象に残りました。

<どんな支援を届けるか>

ラ・レーチェ・リーグは、普段から、赤ちゃんを育てるお母さんに、さまざまなサポートを提供しています。
中でも、お母さんどうしが集まって母乳育児について経験やコツ、思いや励ましを交換し合う「集い」の開催は、中心的な活動です。
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リーダーは、お母さんどうし、どんな経験や思いでも肯定的に受け止め合いながら話し合えるためのかじ取りと、母乳育児についての適切な情報提供ができるためのトレーニングを受けています。

毎日の子育ての中に母乳育児があり、それは生活に密着したものです。
実際に今母乳をあげているお母さんどうしが集まって話し合うことが、それぞれのさまざまな悩みを解決していく様子を、毎月「集い」で目にしてきた私たちは、その「集い」こそを、被災された地域で赤ちゃんを育てるお母さんに届けたいと思いました。

そこで、これまでは、リーダーが住んでいる地元で開催されてきたこの「集い」を、初めての試みとして、リーダーの住んでいない地域へ、「出前」することにしました。

<数ある被災地の中で>

「集い」を出前したい。そんな思いがあっても、実際にどこに届ければいいのでしょうか。
被災地は広く、そのすべての場所に、赤ちゃんを育てるお母さんがいるはずです。
災害直後から支援活動を続けてこられたNPOの方に相談したところ、これまでにつながりのない団体が突然行って何かをすることは難しい状況であり、現地でキーパーソンとなる、専門家や、母親グループなどとつながれば、うまく行くのではないか、との提案を受けました。

ちょうどそのころ、岩手県釜石市出身のリーダーが故郷に赴いた折、大槌町のお母さん、そして、釜石市の保健師さんと出会いました。
大槌町の仮設住宅で震災後に子育てサークルを始められたこのお母さんは、ちょうどお二人目を出産されたところで、私たちの「集い」の計画をとても喜び、会場探しを引き受けてくださいました。
残念ながら、そのとき大槌町では思っていた日程に会場を押さえることができなかったのですが、代わりに、釜石市の保健師の方が、釜石市で会場を見つけてくださり、集いが実現することになりました。

実際に授乳中のお母さんご自身が「集い」の開催を願って動いてくださったこと、また、そういったお母さんと日常的にかかわりを持っている行政の職員の方がニーズを感じて動いてくださったこと。
私たちが支援を届けたいと思うとき、そのような地元のニーズとつながれることの大切さをかみしめた出会いでした。

<釜石市の後援を得て>

そして、市役所とつながりながら災害復興支援活動をされていた方を別のリーダーが知っていたことから、釜石市子ども課との出会いがありました。
「集い」は、市の後援を得て開催される運びとなり、全戸配布の復興釜石新聞への記事掲載、市内の保育所、子育て支援センターおよび子ども課窓口へのチラシの配置、新生児訪問や母子手帳交付時のチラシ配布、釜石市HPへの掲載などを通じて、多くの方に、「集い」開催が伝えられることとなりました。

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広報かまいし2015.10月15日号 15ページ目に「集い」情報を掲載していただきました。
広報かまいし2016.6.1号 6ページ目に「集い」情報を掲載していただきました。
広報かまいし2016.9月15日号 13ページ目に「集い」情報を掲載していただきました。

集いに参加したお母さんの中から、「こんな集いを自分でも開催してみたい」と感じて、リーダーとなる方が現れれば、これから日常的に母乳育児のサポートを届けることができるようになります。
広範囲に渡る被災地のさまざまな土地で集いを開催していきたい思いも強かったのですが、リーダー誕生までは同じところへ継続的な支援を、と考え、市の後援を受けて安心して開催できるようになった釜石市で、定期的に、集いをお届けするようになっていきました。

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これまでの災害支援活動 〜1 委員会の立ち上げ〜
これまでの災害支援活動 〜2 ユニセフと連携〜
これまでの災害支援活動 〜3 世界中からの支援
も合わせてお読みください。

この記事は、
これまでの災害支援活動 〜5 釜石市に初めての集いを〜 に続きます。

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posted by NPO法人ラ・レーチェ・リーグ日本 at 22:41| これまでの活動